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アミノ酸の分解と再合成(遊離アミノ酸とオルニチン)

●タンパク質とアミノ酸

私たちの体を作っているタンパク質は、100個〜3000個くらいのアミノ酸がつながって出来ています。タンパク質を作るアミノ酸は20種類(近年の研究では22種類)必要です。組み合わせは『10の130乗(10の2乗=100、10の130乗は1の後ろに0が130個つく数字)』通りあります。
タンパク質には非常に多くの種類がありますが、このアミノ酸の組み合わせが多いので、20種類のアミノ酸から必要なタンパク質を作ることが出来ます。
この組み合わせの中でも『アミノ酸が直鎖状につながったもの』がタンパク質で、『立体構造になるもの(ごく小数)』が酵素になります。
アミノ酸配列が同じタンパク質は、同じ働きをします。正常な細胞の中で、アミノ酸の組み合わせが1カ所でも変わるとガン細胞になったりするので、アミノ酸配列はとても重要です。
この配列を記憶しているのは、DNAの持つ情報『遺伝子情報』です。アミノ酸はタンパク質や酵素の他にも、ホルモンを作るときにも必要です。中でもインスリンは、51種類という少ない種類のアミノ酸から作られています。

 

●酵素の働き

酵素は分子を切ったりつないだりする働きをします。
例えば「食物を消化してアミノ酸に分解する時」「分解したアミノ酸を必要なタンパク質に作りかえる時」に酵素は働きます。酵素はこれらの働きを素早く行いますので、酵素の無いときに比べると通常でも100万倍以上、時には数億・数十億倍以上に加速させるのです。このような働きを『酵素の生体触媒反応』と呼びます。
また、体内で不要になった物を分解する時にも酵素は働きます。
「体が必要になったときに作って、不要になったら壊す」働きがあるので、細胞の新陳代謝が出来るのです。
酵素の働きをコントロールするのは『プロモーター』と呼ばれるタンパク質で、 DNAの持つ設計図を元に細胞分子を作っていくのです。酵素はアミノ酸から作られ、タンパク質とアミノ酸の製造・分解に欠かせない物質なのです。
『触媒』という働きは生体活動に限ったことでなく、「酸化チタンは光に反応して表面の物質を分解(光触媒)」「白金は自動車の排気ガスを分解(排ガスの触媒)」「タンパク質や油を分解する酵素を使った洗剤」など、工業製品としても多く利用されています。

 

●ペプチド

タンパク質からアミノ酸へ分解、反対にアミノ酸からタンパク質へ合成される時、中間でアミノ酸同士をつなげているのはペプチド結合です。サプリメントでも『ペプチド』というと、アミノ酸同士がくっついている物で、タンパク質になっていない、いわばアミノ酸の固まりです。
花粉症の免疫について解説した時、抗体抗原反応について解説しました。「タンパク質やペプチドでは抗体抗原反応が起こるが、アミノ酸では起こらない」とは、アミノ酸はペプチド結合しない限り、体内では分子が小さくて異物とはならないので、抗体反応が起こらないと言うことです。
アレルギーなどでタンパク制限をしてもアミノ酸制限が必要ないのは、ペプチド結合のしていない状態では抗原にならないからです。反対にタンパク制限で不足するアミノ酸を補給するためにも、良質のアミノ酸補給は必要なのです。

 

●遊離アミノ酸

体内に入ったタンパク質は酵素の力でアミノ酸に分解され、体に必要なタンパク質や酵素、ホルモンに合成されます。例えば牛肉100gを食べたとしても、アミノ酸として吸収されるのは健康な成人で18gです。
また、分解されたアミノ酸が全て再合成されるわけではありません。細胞や血液中にはアミノ酸分子のままで蓄えられているものがあって、そのようなアミノ酸を『遊離アミノ酸』とい言います。
「黒酢よりも鶏肉の方が、アミノ酸が多い」とする人もいますが、これは「黒酢に含まれるアミノ酸と、鶏肉に含まれるタンパク質を分解したアミノ酸」を比較しています。鶏肉のタンパク質を全て分解吸収出来れば、先述のような説も成り立つのですが、実際には完全分解吸収は無理。
黒酢のアミノ酸は多くが遊離アミノ酸で、ほとんどが吸収されるのですから、黒酢と鶏肉のアミノ酸は単純には比較できないのです。 健康医学社のアミノ酸エキス製品(アマンアルファやRVE-21、アミノエイト・シリーズ製品等)には、遊離アミノ酸の含有量が記載されています。
他社の製品ではアミノ酸の含有量が記載されています。大きな違いは、「遊離アミノ酸は吸収効率が高い」「単なるアミノ酸と記載されている場合は、製品中のタンパク質を分解してアミノ酸含有量と記載する場合が多い」という事です。
例えばタンパク質が主成分のカプセル製品では、カプセルも分解した場合のアミノ酸含有量は、エキス成分だけの遊離アミノ酸含有量よりもかなり多くなります。また、遊離アミノ酸製品と違い、ペプチド製品は(抗原になる事があるので)アレルギー体質の方は注意が必要です。
健康医学社は「タンパク質の分解が十分に出来ない病弱な方」「術前術後の急速な栄養補給が必要な方」「アレルギーや腎臓疾患などでタンパク質の摂取制限をしている方」にも、安心してお使い頂けるよう、以前から遊離アミノ酸の分析をして「アミノ酸含有量」と記載しています。
遊離アミノ酸以外(分解されていないタンパク質)は、「タンパク質」としてアミノ酸とは別に記載しています。また、カプセル製品ではカプセルの素材自体も含むアミノ酸量は、別途記載するようにしています。

 

●オルニチン

「タンパク質はアミノ酸から合成される」と言いましたが、実際にはタンパク質を合成しないアミノ酸もあります。
オルニチンは筋肉合成を増強するアミノ酸として知られていますが、実際には筋肉組織を作る原料になるのではなく、「オルニチンの摂取で成長ホルモンが放出→筋肉組織の合成を促す」といった補助的な役割をしています。
火傷や怪我、手術後の筋肉タンパクを増強するという報告が多いのも、このようなオルニチンの効果によるものです。 タンパク質を合成しないと言うことは、オルニチンは体内でも常に遊離アミノ酸だと言うことです。
近年はオルニチンの研究が進み、筋肉合成の増強や肝臓の解毒作用(オルニチン回路)の他にも、以下のように様々な効果が研究・報告されています。

・皮膚の傷の治癒促進。皮膚の再生促進と、コラーゲンの蓄積。

・アンチエイジングに必要なホルモンの分泌。

・腎臓障害の改善。カリウム欠乏症で尿の濃縮力低下の症状を改善。

・免疫力の機能改善。マクロファージの活性化。

・傷のある腸管の回復促進や、腸管からの細菌の侵入を抑制。

・肝臓障害、肝性脳症の改善。後述のオルニチン回路を参照。

・オルニチンを原料とする『ポリアミン(プトレシン、スペルミジン、スペルミン等)』という物質は、乳幼児のアレルギー抑制や記憶力低下の抑制、肝臓移植後の生存率の上昇などの効果があります。

 

●オルニチン回路

オルニチン回路オルニチン回路アミノ酸がエネルギーとして使われると、二酸化炭素とアンモニアが出来ます。アンモニアは人体にとっては有害で、脳に入ると脳障害を引き起こします。
肝臓は体内に入った有害物質を解毒する臓器ですが、体内で出来たアンモニアも解毒してくれます。 この働きを『オルニチン回路(尿素回路)』と呼びます。
肝臓に運ばれたアンモニアは、肝臓細胞内のミトコンドリアで、体内エネルギー(ATP)を使って『カルバモバイルリン酸』になり、オルニチンと結合して『シトルリン』になります。シトルリンはATPを使って『アルギノコハク酸』になり、コハク酸を分離して『アルギニン』になります。シトルリンからアルギニンまでは尿素が一緒になったままなので、ここで『アルギナーゼ』の働きで尿素を切り離して、腎臓に送ります。
アンモニアの処理方法は、他にも腎臓でのクレアチニン生成などもあります。
ほ乳類にとっては、アンモニアを水に溶けやすい尿素に変え(無毒化して)てから排泄する方法が適切といわれますが、鳥類では尿酸として、魚類ではアンモニアのまま排泄しています。

 

●愛肝エキス

このように、オルニチンは肝臓の解毒作用には欠かせないアミノ酸で、しかも遊離アミノ酸のままで血液や細胞で蓄えられますので、いざという時には非常に役に立つアミノ酸です。
研究では肝臓以外にも重要な役割をすることがわかってきました。アメリカでは「成長ホルモンを分泌させ、筋肉合成を増強」「基礎代謝を高め、肥満を予防する」食材として使われています。ヨーロッパでは主に「肝臓障害を改善する医薬品」としてL-オルニチンを使用しています。
これからはオルニチンの効果が注目され、サプリメントとしても多く発売されると思います。しかしその多くは微生物発酵による生産品です。
微生物発酵法では、特定のアミノ酸を多く生み出すように作り出した微生物(主に遺伝子操作)を使いますが、日本の法律では遺伝子組み換えや、特定原材料の表示義務はありませんので、「L-オルニチン(またはL-オルニチン塩酸塩)」とだけ表示されると思います。
健康医学社ではアミノ酸バランスを考えた結果、独自に麹発酵でのオルニチン・エキスの生産に成功し、平成2年には他のアミノ酸エキスと共に特許を取得しています。オルニチン・エキスンの発酵には安全な麹菌だけを使い、化学的処理や遺伝子組み換え原料、放射線操作で作り出した細菌などは一切使いません。
これら安全な4種類の特許エキスをブレンドし、アミノ酸バランスを整えた製品を発売しています。 アマンアルファRVE-21が『愛肝エキス』と称されてきたのは、このオルニチンの効果によるところが多いからです。
以前にも述べたように、アミノ酸は特定のアミノ酸だけを多く摂取しても効果を発揮しません。アミノ酸を体内で有効に使うには、バランスが大切です。体内のアミノ酸量にはバランスが決まっていて、一番少ないアミノ酸の量が基準となるので、特定のアミノ酸を多く摂取しても排泄されてしまいます。

 

●オルニチンとアルギニン

オルニチンを多く含む食品はあまりなく、肝臓に良いと言われているシジミでも総オルニチン量が10〜15mg(100gあたり)と少ないのです。
オルニチンになるアミノ酸の『アルギニン』も効果的です。
健康医学社のアミノ酸補給食品では、

黒酢エキス液状(RVE-21)はオルニチンが175.30mg、アルギニンが77.03mg

アミノエイト液状(アミノエキス)はオルニチンが561mg、アルギニンが29mg

オルニチンエキス(ORE-21)はオルニチンが417mg、アルギニンが198mg

で、この他にアミノ酸も多く含まれています。特にアミノエイト液状はトリプトファンが多く、遊離アミノ酸総量も7571mg(RVE-21は 5450mg)と多いのが特徴です。