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肝臓疾患一昔前までは「肝臓が悪い」と言うと、すぐにアルコールと結びつけて考える人が多かったのです。しかし最近の日本では肝臓病の原因の多くはウイルス感染によるものであり、ストレスや化学物質・薬品などが肝臓に負担をかけていることも忘れてはいけません。
一言でウイルスと言っても、感染すると必ず発症する事ではなく、またウイルスの種類によって症状も違うというように、簡単には理解しにくいものがあります。

 

●肝臓病の危険性増大

国際交流の増大や手軽に海外に渡航できるようになり、またビジネスでも海外出張が当たり前になった現在、ウイルス性の肝臓疾患の危険性は増大していると言えます。
食生活でも動物性油脂を摂取する事が多くなり、脂質では海外で規制されている危険な油脂でも、日本では規制されないままに食生活で摂ってしまうなど、肝臓の脂質代謝機能を低下させる食生活になっています。また、飲酒面でもアルコール添加による安価な酒類が増え、飲酒の機会・量も増えている現在においては、さらに肝臓疾患が年齢・性別を問わず増える危険性もあります。
その他にも、薬が原因で起こる肝障害(薬害)や輸血での問題点など、発展と共に昔では考えられない肝臓病の要因が増大しているのです。
ウイルス性肝炎に於いて理解が進まない事や、慢性肝炎では自覚症状が出にくいなど、自分自身では気がつかない患者も多いのが肝臓疾患なのです。

 

●肝臓の具合は如何ですか?

肝臓の具合を聞かれても、はてさて?と思う人がほとんどでしょう。
定期健康診断の時に、肝臓の数値を見て気がつく!と言った方が多いのではないでしょうか。
心臓なら苦しさを感じることもあり、肺なら呼吸の状態で異常に気がつく...という場合でも、肝臓はなかなか疲れを教えてくれません。
別名、「沈黙の臓器」とも言われている肝臓。異常を察知するのはとても難しいのです。
肝臓には非常に高い予備能力が備わっており、多少の傷害があろうと無理が重なろうと、苦しさや異常を訴えることのない頑張り屋さんなのです。
また、万が一肝臓に障害が発生しても構造や働きが複雑で、心臓や腎臓のように人工臓器や機器で代用することが出来ないのです。

 

●肝臓の予備能力とは?

では、予備能力とは何でしょうか?
健康な人の場合、肝臓機能の2割程度しか使われていないと言われます。残りの8割は予備として待機しており、万が一機能が低下したり、通常の仕事量を超える機能が必要になったりした場合に使われるのです。
また、予備能力の高さと共に、肝臓には再生能力が備わっています。一部の肝細胞が死んだ場合でも、生き残った細胞が分裂して新しい肝細胞を再生産するのです。
例えば7割以上の肝臓を手術で取り除いたとしても、4ヶ月ほどで元の重量まで回復するとされます。これほどの再生能力を持った臓器は、他にはありません。
しかし、この予備能力・再生能力の高さがあるため、慢性肝炎や肝硬変になって、肝細胞が壊れたり固くなった場合でも症状として現れません。
気がついたときには手遅れ...と言ったことも起こりやすいのです。

 

●こんな時は肝臓疾患を疑え!

沈黙の臓器で肝臓が痛くなったりすることが少ないのですが、それでも自覚症状が全くないわけではありません。普段から体の変化を感じ取ることで、肝臓疾患を未然に防ぐことも出来るのです。

では、日頃からどのような事に気をつければ良いのでしょうか?以下の症状が出るときには肝臓疾患を疑い 肝臓を労ってあげましょう。

1.疲れやすく食欲がない、吐き気やもたれ感がある。
2.白目の部分や肌に黄色さが出てきて、尿の色が濃くなる。
3.手のひらや上半身に赤い斑点が出てくる。
4.腹がはって、腹水がたまる。
5.皮膚がかゆく、シミが増える。
6.酒量が落ち、脂っこい食事が嫌いになる。
7.便の色が白くなったり、黒くなったりと普段と色が変わる。
8.男性の乳が膨らんでくる。
9.後ろから見ても肝臓が腫れて大きく見える。

これらの症状は絶対に現れるという事ではありませんが、症状が出たり途中で消えたりと様々です。しかし、上記の症状が見え隠れするなら、肝臓が...もしかして...と思ってみるべきです。

1.は自覚症状としては最も一般的であり、肝臓機能の低下によって胃腸の機能も低下することで、消化不良・腸内にガスがたまる事が起こりやすくなります。

2.は黄疸と呼ばれる症状です。肝臓で作られる胆汁のビリルビン(黄色い胆汁色素)が血液中に流れ出すことで症状が出ます。赤血球の寿命は120日程度ですが、寿命が来た赤血球は脾臓が壊し、血色素(赤血球の色の素)をビリルビンに変えて肝臓が処理をして胆汁に排泄しますが、肝臓機能の低下で処理能力が落ち、未処理のビリルビンが血中に流れ出てしまうのです。ミカンを食べ過ぎたときも尿の色が黄色くなりますが、この場合は白目の色は変化しません。黄疸が出るときは尿がビール瓶のような褐色になって、泡まで黄色に変化するので区別できます。
黄疸は肝臓病の中でも急性肝炎には特有なのですが、慢性肝炎や肝硬変では全く現れないこともあります。黄疸が出れば必ず急性肝炎というわけではありませんが、疑ってみることも必要です。

3.肝臓病になると手のひらが赤くなる事があります。是は手掌紅斑といい、一般的にも知られた症状です。上半身に血管の赤い斑点が出る事もあり、毛細血管がクモの巣状に浮き出したクモ状血管腫が、傷害の程度によって全身に広がって行きます。肝臓細胞が固くなると門脈血が肝臓に入りにくくなり、門脈圧が高くなるとお腹の静脈が浮き出て青筋が立って見えることもあります。

4.腹水は肝臓でのタンパク質代謝異常が原因です。肝臓で合成されて血液中に送られるタンパク質のアルブミンが作られなくなると、血液の浸透圧(膠質浸透圧)調整が出来なくなり、腹腔内に水がたまります。

5.皮膚のかゆみは血液中に胆汁成分である胆汁酸が増えるために現れます。顔に色素沈着のシミが出来たり、皮膚が黒くなることもあります。皮膚が黒くなるのは西洋医学的には解明できていませんが、東洋医学での五臓の色体表でも肝臓の症状として示されています。

6.肝臓機能の低下でアルコールの分解や脂質の代謝能力が落ちると出る症状です。

7.先述のビリルビンが血液中に出たことで便に出ず、白色便になります。肝硬変では門脈血が入りにくくなり、門脈圧が高くて食道や胃から出血して黒色便が出ます。

8.肝疾患による女性化乳房です。肝臓は女性ホルモンを壊す働きがあり、男性でも少量作られる女性ホルモンを壊す働きが低下することで現れます。

 

●自己診断は限界がある!

肝臓色素診断肝臓機能低下は上記のような自己診断もありますし、バンキー療法では肝臓の色素反応点(右参照)に強い反応を見ることもあります。
しかし全ての人に自己診断というのは現実的ではありませんし、やはり多いのは肝臓機能の検査数値から判明する場合でしょう。
職場での血液検査で肝臓の数値が出ていると思います。この数値で肝臓疾患を疑い、CTスキャンや超音波診断、さらに肝細胞の生検などを勧められる事があります。
では、肝臓の数値とは何でしょうか?
検査表で見ると、GOT、GPT、γ-GTP、ALP、LAP、LDH、ChEなどが肝臓の状態を見る数値で、GOTやGPTは耳にする機会も多いのではないでしょうか?
肝臓は様々な物質代謝を行うために、肝臓細胞にも沢山の酵素やタンパク質を持っています。肝細胞が壊れることでそれらが血液中に流れ、血液中の数値が上昇します。ChEは肝臓で作られる酵素なので、肝臓障害で血中濃度が低下します。

 

パート2へ続く.....