
健康情報小ネタ集
肝心要の肝臓病対策 Part-4
パート3では様々な肝臓病について解説しました。肝臓は肝心(肝腎)かなめの言葉通り、腎臓と共にあらゆる臓腑の中心と考えられています。
東洋医学では肝臓を筋肉や眼と連携させて捉えています。「肝は筋を生ず」「肝は筋の合なり」「肝気衰え、筋動く能わず」と述べているように、肝臓と筋肉運動が緻密な相互関係にあることを示しています。
したがって、これまで述べてきた西洋医学的症状に加え、東洋医学的見地から言うと『筋肉のひきつれ、硬直、痛み、けいれん、弛緩』などの現象は肝臓の機能低下と密接に関連していると考えるべきです。
また、「肝の気は目に通ず」「肝は目に開孔す」とあるように、老眼・視力低下・乱視などの視力の障害や、白内障・緑内障・眼底出血などの眼球の疾患は肝臓の治療に重点を置くと良いでしょう。
健康医学ではバンキーを用いた経絡施療を行っています。バンキーは大きなカップを用いますので、鍼のようにピンポイントの経絡点(ツボ)を覚える必要はありません。
しかし、局所施療に加えて経絡を応用することで、一層高い施療効果を得ることが出来ます。
次に、バンキーでの肝臓病施療ポイントを解説します。
●肝臓の治療点〜肝経
肝臓の治療点として真っ先にあげられるのが胸腹部の肝臓の募穴【8】期門です(番号は下図の経絡図に記載の数字参照)。この施療点は他とは違い、左右で治療対象が違っています。【8】(右側)は肝臓病全般はもとより、急性・慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝臓ガンなどの他、胆石症や胆のう炎などの肝臓と胆のうの関連疾患にも効果的です。
【8】(右)は筋萎縮症、筋無力症、筋肉痛、てんかん、ひきつけ、けいれん、ヘルニア、脱肛、顔面神経麻痺、子宮筋腫、子宮位置異常、などの筋肉疾患にも有効です。同じく(左)は黄疸、胃けいれん、胃カタル、胃下垂、不眠症、脾臓肥大などにも良いでしょう。
この施療点は肝臓と脾臓で治療対象が左右に分かれていますが、これはあくまでも施療上の原則ですので、実際の施療点としては左右を同じように施療し、色素反応の強く出た所を重点的に施療して下さい。
肝臓と脾臓は臓器的に見ても相互関係がありますので、両方共の施療がより効果を高めてくれます。

施療点(7)章門は脾経の募穴ですが、【8】とほぼ同じ施療点を持っています。ですから、実際の肝臓病の治療を行う場合は、施療点(7)から【8】にかけて施療点をずらしながら施療を進めていくのが好ましいです。
ここに強い反応が出るなら、それなりの治療効果もあがっていると言えるでしょう。実際の反応や対処方法は、バンキー療法師のアドバイスをもらいながら進めると良いでしょう。
なお、肝経では脚の内くるぶし上15cm程度の(レイコウ)が肝臓の働きを高める施療点として知られています。この付近には(4)中都もあり、吸着具4号程度の大きさでじっくりと施療をして下さい。この施療点は生理不順などの婦人科疾患にも効果的です。
さらに原穴【2】太衝、(3)三陰交も肝臓病関連の施療点となっています。
●肝臓の治療点〜胆経
胆経は肝臓と陰陽表裏の相互関係にあります。ですから、関係上の治療反応が経絡上の関連した胆経上にあらわれる事も少なくありません。
肝臓病の治療でも、肝臓部や肝経上に現れず、右脇腹の胆経上に反応が出る事も多くあります。
胆経の肝臓病施療点は、右脇腹の施療点募穴【3】日月や(4)京門、(5)帯脈付近が挙げられます。
【3】は肝経【8】の下15cmとされていますが、5号以上の吸着具を使えば効率良く施療できます。この施療点は背部の膀胱経(14)(次項参照)と併用すると効果もアップします。急性・慢性肝炎、肝硬変などの他、黄疸や胆のう炎などにも効果的です。

施療点(4)京門は背部の第12肋骨先端にあたりますが、肝臓病の他に腎経の募穴として、腎臓病の重要な施療点としても知られています。
施療点(5)帯脈とともに、肝臓病特有のだるさ、吐き気、重苦しさ、消化不良、下腹部痛などに用いられる。女性の生理不順、子宮卵巣関連の疾患にも優れた治療効果を引き出してくれます。
なお、胆経上の施療点としては、腰から下肢外側にかけての施療点(6)〜(9)が挙げられます。これらの施療点は腰痛や座骨神経痛、筋肉マヒ、リウマチ、中風による運動マヒにも良く効きます。
●肝臓の治療点〜膀胱経
背部膀胱経には先述の(14)や(15)など肝臓病との肝経の深い経絡(ユ穴)が並んでいます。肝臓病と関連する腎臓病のユ穴もあります。肝炎や肝硬変、黄疸などの肝臓疾患では、これらの膀胱経のユ穴の施療は欠かすことが出来ません。
施療点(14)膈ユ(右)やその下の施療点(15)肝ユ(右)は急性・慢性肝炎、肝臓肥大、肝硬変、脂肪肝、アルコール性肝炎などの一連の肝臓疾患や胆石症、胆のう炎などの胆のう疾患はもとより、てんかん、ひきつけ、筋肉マヒ、筋肉痛などにも胸部の肝経(7)章門、【8】期門などとともに、必須の治療点です。

なお、肝経【8】の場合と同様に、膀胱経の背部の施療は吸引圧による痛みが少ないので、8号吸着具などの大型カップを使うと、しっかりと施療が出来るでしょう。
施療の進み具合で肝臓の症状も急速に改善が見られる施療点でもあります。この施療点も右側だけでなく、左側も施療し反応が強く出るなら、さらに施療を続けて下さい。
膀胱経では肝臓病特有の吐き気や嘔吐、食欲不振などの治療をかねて、胃経(16)(次項参照)の左右も施療して下さい。また、腎臓との関連で、施療点(17)三焦ユや(18)腎ユ付近の施療も良いでしょう。
●肝臓の治療点〜胃経
肝臓に疾患があると、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部膨満、重苦しさ等の一般的な内臓疾患に似た症状が現れます。この事からも胃腸と肝臓病には深いつながりがあることは想像できるでしょう。ということで、肝臓病では胃経の施療も必要となります。
胃経を用いた肝臓病の施療点としては、腹部の施療点の募穴【23】中カンや(6)滑肉門〜(11)気衝が挙げられます。【23】は肝経と交わる、重要な施療点でもあります。

施療点(6)〜(11)は消化不良、嘔吐、腹部膨満、腹水、疲れやすい・だるい等の肝臓病関連症状の他、胆石症、胆のう炎等の疾患にも有効です。
また、胃腸病関連の神経性胃炎、胃下垂、胃十二指腸潰瘍、胃けいれん等の症状にもよく用いられます。
●肝臓の治療点〜脾経
脾経は施療点の募穴【16】章門や期門、(12)関元、(14)中カン、足の三陰交など、随所で肝経と交差しています。足の陰の経絡としても肝経、腎経と密接に関連している事からも、肝臓と脾臓は東洋医学からみても不可分の関係にあると言えます。肝臓が弱ると、脾臓もダメージを受けるのです。
脾経の肝臓関連疾患の施療点としては、上記の各施療点となります。
これらは肝臓以外でも、胃腸、膀胱、心臓、泌尿器、生殖器、婦人科疾患とも関わりを持ちます。

肝臓病特有の体のだるさ、疲れやすさ、皮膚の黄色化などの症状は、肝臓のみならず脾臓にもその一因があります。
ですので、腹部の施療も右側と平行して左側も同時に行って下さい。
簡単ではありますが、肝臓病疾患のバンキー施療はこの様なポイントをお使い頂くことで、単に患部だけを行うよりも効果を発揮できます。
鍼灸の治療点と異なる部分もありますが、健康医学社独自のアレンジや経験ポイントも加味していますので、ご了解下さい。
ただし、肝臓はバンキーのような物理療法意外に、食生活や栄養面での影響も大きく、栄養療法を併用するとさらに効果を発揮することが出来ます。
次回は栄養面での肝臓病対策を紹介して、「肝心要の肝臓病対策」篇を締めくくることにします。
▼パート5へ続く....



