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アトピー性皮膚炎 Part-2 (健康医学季刊誌 展望「34号」より抜粋)

Part-1の「アトピー性皮膚炎とは?」に引き続き、今回もアトピー性皮膚炎について考えていきましょう。

 

●アトピー性皮膚炎の特徴

アトピー性皮膚炎に共通している特徴は、食事や環境、ストレスなど、何らかの刺激によって、皮膚が痒くなることです。痒みが我慢できなくなってかくことで発赤が現れたり、じくじくしたり、かさぶたができます。
患者の皮膚は普通の健康な人に比べてかぶれやすく、外からの刺激やストレスなどで凄く痒くなります。
そのために、皮膚が汗をかいたり、なにかに触れたり、擦れたりすると敏感に反応し、赤くかぶれて炎症を起こしたり、痒みを訴えます。これは皮膚のバリアー(防御)機能の低下が原因とされています。また、皮膚がカサカサに乾燥したり、炎症を起こしやすくする状態をアトピー皮膚と呼んでいます。
アトピー性皮膚炎が気温や湿度の変化や汗、ほこりなどの刺激によって炎症を起こすのも、アトピー皮膚と関係があります。

 

●かゆみが起こるとき

皮膚の痒みは風呂に入ったり、体が温まると、途端に痒くなります。その理由は、皮膚が温まると神経が痒みを感じやすくなるためです。
特に、就寝前がいちばんかゆいとい訴える患者が多いのは、布団に入って体が温まることに加え、緊張が緩むために、痒みを強く感じるためと考えられます。また、仕事や遊びに夢中になっているときは痒みを忘れているのに、ほっとして気が緩んだときに痒みが感じやすくなります。精神的なストレスは、痒みを増悪させる大きな誘発要因と考えられます。
季節による個人差もあるようです。夏に悪くなる人もいれば、反対に冬になると悪くなる人もいます。
夏に悪くなるタイプは、汗をかくと、それが刺激になって痒みがひどくなります。これには、細菌の活動も影響します。夏の時期は細菌が繁殖しやすくなり、細菌によって皮膚の炎症がひどくなって、痒みが強くなります。
一方の冬に悪くなるタイプは、寒くなると肌の乾燥が強くなるために、痒みがひどくなります。この場合、夏型タイプとは反対に、気候が暖かくなると、汗で肌に潤いが出来るため、痒みが少ないと言われています。

 

●皮膚の仕組み

皮膚のバリアー機能が低いと、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなると述べました。この皮膚のバリアー機能を知るためには、皮膚の仕組みを知る必要があります。
皮膚は表面から、角層、表皮、真皮と呼ばれています。角層は角質細胞という平らかな細胞が折り重なって構成されています。この角質が摩擦や刺激、さらには異物の侵入などから体をまもる防御壁の働きをしています。その細胞同士はセラミド(角質細胞間脂質)という物質でつながれています。


皮膚の仕組み

 

東京女子医大の川島眞教授の研究報告によると、この角質間脂肪の成分の半分は、セラミドと呼ばれる脂分であることが判明しています。このセラミドが皮膚の水分を保ち、水や細菌などの異物が体内に入り込まないようにガードしているのです。
しかし、セラミドは他の脂分と異なり、水に溶けやすい性質を持っていますから、シャワーなどで流れてしまいます。アトピー性皮膚炎の患者は、このセラミドの補給が上手に出来ないとされています。アトピー性皮膚炎患者の肌の乾燥やバリヤー機能の低下は、角質細胞間脂質のセラミドが不足することが原因という結論になります。
セラミドは酵素の働きを仲立ちし、皮膚の中で造られます。川島教授の分析によれば、アトピー性皮膚炎患者は、遺伝的に酵素異常があるためにセラミドを正常に合成することが出来ず、全く異なるものを造ってしまうとしています。
ちなみに、セラミドを合成するための原料は、魚の脂質に多く含まれているので、肉よりも魚をたくさん食べるのも良いことです。
また、角質細胞の表面は皮脂膜という薄い油の膜で被われて、周囲の湿度の変化に関係なく、水分量を一定に保つ働きをしています。この皮脂膜も、皮膚の保湿とバリアー機能を担っているのです。
アトピー性皮膚炎患者の肌がカサカサに乾燥しているのは、この皮脂膜の働きが弱いために、皮膚に潤いを与えることが出来ないためです。
ですから、皮膚の保湿力を高めるカルシウムや鉄分、亜鉛などのミネラルも欠かせません。毎日ミネラル豊富な食事が大事になります。適切な栄養補給食品で補給を図るのも良いでしょう。

 

次回Part-3では、アトピー性皮膚炎の症状について解説します。