
健康情報小ネタ集
アトピー性皮膚炎 Part-3 (健康医学季刊誌 展望「34号」より抜粋)
Part-2の「アトピー性皮膚炎の特徴」に引き続き、今回はアトピー性皮膚炎の症状ついて考えていきます。
●アトピー性皮膚炎の症状〜皮膚の異常乾燥
アトピー性皮膚炎患者の特徴の一つに、皮膚の乾燥状態が挙げられます。乾燥した皮膚は外からの刺激に対して、バリアー機能が弱くなっています。皮膚の抵抗力が弱くなるため、外から侵入する細菌やウイルスの感染を起こしやすくなっています。
この場合、細菌感染では黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌、ウイルス感染ではヘルペスウイルスや水いぼウイルスがよく見られます。
ヘルペスウイルスは口の周りなどの皮膚に、2〜5mmぐらいの小さな水疱が現れる病気です。このとき、健康ならばほとんどが軽症ですみますが、アトピー性皮膚炎患者には、水疱が顔中に現れたり、体の広い範囲に広がって、重症になることがあります。
●年齢による症状の変化
アトピー性皮膚炎は乳児期や幼小児期、思春期、成年期で症状は大きく異なります。
1.乳児期(生後2〜6ヶ月)
この時期には 、口の周りや頬、頭に赤いブツブツ(丘疹)やジュクジュクした発疹(紅斑)が出来ます。
また、首や肘の内側、膝の裏側、手首や足首などの汗のたまりやすい部位が赤くなります。
2.幼少児期(生後6ヶ月〜10歳)
症状が軽くなったり、治る人が増え、新しく発症する人も少ないので、全体の患者数は減ります。症状としては顔面の発疹が減り、関節部や体の発疹が増えて来ます。
この時期から、皮膚の乾燥がはっきりと目立ち始めます。
3.思春期・青年期(11〜18歳)
思春期や青年期は症状が軽くなったり、治る場合が多いものですが、悪化する場合もあります。乳児期や幼少児期に一度は治った患者が、思春期以降に再発するケースもしばしば見られます。
この時期の発疹は上胸部、上背部、肘内側などの上半身に強く現れる傾向があります。特に顔面は特徴的な赤ら顔になり、一般的に再発症例は治りにくいとされています。
4.成人期の症状
顔全体が赤くなったり、赤黒くなることがあります。
この時期まで症状が続いてしまうと、アトピー性皮膚炎はこじれて治りにくくなります。
●部位別による症状の変化
アトピー性皮膚炎の症状は、顔に最も明瞭に現れやすいものです。
しかし、首、肘の内側、膝の裏側、手足などにも特有の症状が現れます。
1.首の症状
乳児期にはジクジクした水気の多い湿疹が現れますが、小児期からは皮膚が乾燥し、湿疹も乾燥性に変わります。
2.肘の内側、膝の裏側の症状
肘や膝は汗をかきやすく、擦れることも多いので、幼小児期から青年期にかけて起こりやすくなります。
現れ方も左右対称で、同時に出ることが特徴です。この部位は手が届きやすいので、ついう掻いてしまいがちです。
3.手の症状
小児期は屋外で遊ぶ機会が多いため、弱い皮膚が砂や土、ほこりなどで刺激を受けて湿疹が起きやすくなります。
また、成人後、水仕事をする主婦の手のひらや指に出ることがあります。これも過去にアトピー背皮膚炎を経験した人に多く見られます。
4.足の症状
小児期や青年期にかけ、足にコインくらいの大きさの丸い湿疹が現れるこおとがあります。
また、かゆみの強い盛り上がった丘疹が現れる人もあります。
5.胸や背中の症状
幼小児期において、胸や背中を中心に小さな丘疹が広がり、乾燥して皮がむける症状があります。
6.お尻の症状
乳児の場合、おむつが当たっている部位に、おむつ皮膚炎が起きる事があります。乳児によっては、おむつがとれてからも、湿疹が現れることがあります。なかなか治りにくく、成人でも起きる場合があります。
次回Part-4では、いよいよアトピー性皮膚炎の治療法について解説します。



